学習を軽視した組織ー歴史に学ぶ 「失敗の本質」より その7〜ビジネス戦略塾 No.259

学習を軽視した組織ー歴史に学ぶ 「失敗の本質」より その7〜ビジネス戦略塾 No.259
2022年9月6日 sofu
江上鳴風のビジネス戦略塾

こんにちは。創風塾です。

今週の「江上鳴風のビジネス戦略塾」では、
創風塾塾長の江上鳴風が、歴史に学ぶシリーズの7回目をお届けします。

こちらの

歴史に学ぶ 「失敗の本質」より その1〜ビジネス戦略塾 No.253
歴史に学ぶ 「失敗の本質」より その2〜ビジネス戦略塾 No.254
歴史に学ぶ 「失敗の本質」より その3〜ビジネス戦略塾 No.255
短期決戦の戦略志向ー歴史に学ぶ 「失敗の本質」より その4〜ビジネス戦略塾 No.256
アンバランスな戦闘技術体系ー歴史に学ぶ 「失敗の本質」より その5〜ビジネス戦略塾 No.257
組織上の敗因を見てみようー歴史に学ぶ 「失敗の本質」より その6〜ビジネス戦略塾 No.258

の続きです。

名著「失敗の本質」から、日本軍の組織上の敗因3の学習を軽視した組織を取り上げます。
それでは早速、塾長 江上鳴風のメッセージとともにお聴き下さい。

 

 

組織学習には
2つの方法があります。

ひとつは、シングルループ学習。

いままで経験を経てきた方法や考え方に則って
問題を解決したり、業務を改善したりする方法。

 

ある意味、固定化されたやり方なので
一度学んだら、それをあらゆる場面に適応して
繰り返していけばよいという方法です。

高度成長期の日本は、
この方式を徹底して行って
世界史上でも稀な大成功をおさめました。

冷戦期という政治的に固定化された時期で、
かつ全世界的に工業機械化の時期に当たり、
家電製品の普及が世界中で進行していた時期でした。

変化が大きそうで、その実、
変化の少ない時期だったのですね。

 

もう一つは、ハーバード大学の
クリス・アージリス教授が唱えた
「ダブルループ学習」です。

ダブルループ学習とは
自己革新のための学習方法です。

前提となる課題設定や目標が違ってきた場合、
シングルループ学習の方式では
課題解決や目標の達成が厳しくなります。

なぜなら、固定化された考え方、やり方で
課題や目標に向かおうとするから。

大きなズレが生じるのです。

高度成長期の「カイゼン」では
革新的な業績が望めなくなっているのが
その証拠です。

 

ダブルループ学習は前提を疑い、
幅広い視点から自分たちの思考、方法を
見直していきます。

つまり、新しい状況に対応できる
新しいやり方を生み出すのが、
このダブルループ学習なのです。

 

今週の放送のネタバラシを
してしまいましたが・・・。

第二次世界大戦当時の日本軍は
徹底的にシングルループ学習の組織でした。

明治維新後、近代的な軍の育成には
大成功しています。

これはダブルループ学習の思考様式がないと
できないことなのですが、日清・日露戦争以降、
そのループが止まってしまいます。

成功におごる。成功に酔う。
私たちは、これでいいと思い込む。

どうも、これをやってしまったようです。

 

自己革新を止めてはならない。

「失敗の本質」から学んだ最大の要件です。

 

第259回は組織上の敗因の3つ目から・・・

あと1週で終了。

「江上鳴風のビジネス戦略塾」
第259回 歴史に学ぶ 「失敗の本質」より その7

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